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会社登記をせずに放っておくと… みなし解散制度について


1.会社変更登記の必要性


 今回は我々司法書士の業務のうち、会社の登記に関するお話をさせて頂きます。今現在会社を経営されている方や投資用不動産の管理のために会社を作り所有されている方のみならず、これから会社の設立をお考えの方にもお役にたてるかと思い、こんなテーマを選んでみました。
 日本の会社法にて定められている会社(株式会社、有限会社、合同会社など)は、その設立登記を申請することで成立します。法務局にて受け付けた日が会社の誕生日=設立日となりますので、たとえば1月1日を会社設立の日にしたい!と希望しても法務局がお休みのため、不可能なのです。
 会社設立の際に基本的な事項 商号・本店所在地・目的(事業内容)や役員構成などを決め、登記内容として一般に公示されることになるわけですが、この内容に変更が生じた場合には速やかにその変更登記申請をする必要があります(基本的に2週間以内)。法令で定められている「義務」ですので、何らかの変更があった場合に放置しておくと、法務局が放置の事実を知ったときには「100万円以下の過料の制裁」が課されます。とはいえ、期限を過ぎたものにつき全て過料が科されているわけでもなく、正直なところその判断基準についてはわかりません。何年も役員の改選登記をしていなかった会社でも過料の通知が来ないこともありますし、1年放置していただけで通知が届いてしまった会社もありました。
 いずれにしても、早めに登記手続をしておくに越したことはありません。


2.株式会社のみなし解散


 ところで。(ここからは、株式会社のみに関するお話になります)
 株式会社の役員 取締役や監査役などには任期の定めがあり、各会社定款にて必ず定められています。会社法改正前は取締役2年間、監査役4年間の任期と決められていたのですが、現在は非公開会社(定款で全ての株式について譲渡制限の規定が設けられている会社のことをいいます)については最長10年までの間で任期を定めることができます。
 任期が満了したら役員の改選およびその登記をしなければならず、これは役員の構成メンバーが変わらない場合でも同じです。したがって、株式会社については最長でも10年に1回は変更登記をする局面が訪れます。
 近年、新規会社の設立件数は年につき約12~13万社となっており、法務局で管理する会社の数は膨大なものとなっています。そのうち、実際は稼働しておらず経営の実態がないのに登記上残ったままの会社(これを「休眠会社」と呼びます)も多くなっており、こういった会社の登記記録を残しておくことで法務局での作業がどんどん煩雑になり、何より商業登記の記録でその会社の状態を正確に把握できない という状況となってしまいます。また、実体のない会社の売買など犯罪の温床にもなりかねません。
 これを解消するためにとられているのが「休眠株式会社のみなし解散制度」です。最後の登記手続から12年間変更がない株式会社につき、稼働していないと「みなし」、解散の登記をしてしまうというものです。全国の法務局にて時期を決めたうえで、該当する会社を解散とする整理作業を行っています。平成26年以降は毎年整理作業が行われており、令和元年度には3万社以上が対象となりました。

3.みなし解散によるリスク


 みなし解散の登記がされた会社の登記記録をみると、「令和〇年〇月〇日会社法第472条第1項の規定により解散」の記載がなされ(この条文だけみてもみなし解散である旨は一般の方には判りづらく、あたかも自ら会社を閉めたかのようなかたちになってしまいます)、取締役・代表取締役の記載は載っておりません。解散はしているがその後の手続(清算人を選任し、残余財産の処分など清算手続を行う)がなされていない という状態となり、会社の印鑑証明書や代表者の資格を証する証明書(=代表者事項証明書)も取得できなくなります。
 その状態では会社としての業務(新規の取引など)を行うにも支障がでますし、当然ですが金融機関などに対する信用面でも影響を与え、コンプライアンス上問題がある会社と見られても止むを得ないでしょう。

4.回避の方法


 云うまでもなく、変更が生じるたびにマメに登記手続をしておくことが最善ですが、法務局もただ勝手に解散の登記をするわけでもなく、事前の救済措置は与えてくれています。
 前述の「最後の登記手続から12年経過している株式会社」に対しては、法務局から、みなし解散の登記に先立って法務大臣の公告がされた旨の通知書が届きます。記載されている公告の日から2カ月以内に事業を廃止していない届け出をすることによって、休眠会社ではないことが明らかになり、解散登記は免れます。逆にいうと、通知を放置しておくことにより解散とみなされてしまうので、役所からの郵送物についてはまず内容の確認をお願いしたいと思います。また、オフィスの移転をしているにも拘らずその「本店移転登記」をしていない場合には、通知書も前のオフィスに届いてしまうので、通知が来ていることすら気づかない可能性があります。
 加えていうと、届出をしただけでその後も変更登記をしないままでいると翌年も同じく整理対象の会社となってしまいますので、届出後速やかに変更登記の申請をすることも重要です。(最初に述べた過料の制裁は免れないところですが)
 
 株式会社 取締役の任期が10年まで伸長できることになったので煩雑な役員変更の義務からは解消されましたが、反面このようなリスクも発生してしまいます。10年に一度のことですので、うっかり忘れてしまうのも無理もないことと思います。
 もしご自身の会社で「最近登記とかしていないけど大丈夫かな?」「次の役員改選はいつだったかな?」と不安になられた際には、会社の定款をご用意のうえいつでもPEAKS TOKYO OFFICEまでお気軽にお問い合わせください。

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