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我が家も相続税の対象?


1.相続税法の改正


平成27年に改正相続税法が施行され、基礎控除額が減額されたことにより、相続税が課される人が増えました。
相続税の基礎控除とは、遺産額に税率を掛ける前に、遺産額から控除する金額のことです。
基礎控除があることによって、遺産額が一定額以下の場合は、相続税が課されません。

相続税の基礎控除額は下記の様に変更になりました。
改正前 5000万円 + 1000万円 × 法定相続人の数
改正後 3000万円 +  600万円 × 法定相続人の数

夫婦に子供が2名の場合、夫が亡くなると配偶者と子供の計3名が法定相続人となりますので、基礎控除額は下記のようになります。
改正前 5000万円 + 1000万円 × 3 = 8000万円 
改正後 3000万円 +  600万円 × 3 = 4800万円 

遺産総額が7000万であれば、改正前なら相続税はかかりませんでしたが、
改正後は 7000万円 – 4800万円 となり 2200万円 が課税対象となります。
従来、相続税を納税するのは、社長や資産家などで、一般人には関係ないと思われていましたが、都心に家を所有するだけで納税対象者になる可能性も出てきました。
特に東京23区は地価が高いため、実家がある方、持ち家の方は要注意といえます。

この相続税法の改正によって実際にどのような変化が起きたのでしょうか、
相続税の課税があった人の割合は、
改正前の平成26年には4.4%でしたが、改正後の平成27年は8.0%に増えました。

国税庁「平成 30 年分相続税の申告事績の概要」より

納付された税額は、
平成26年が1兆3908億円でしたが、平成27年は1兆8116億円となっています 。

(国税庁「平成 30 年分相続税の申告事績の概要」より)

2.贈与による相続税対策


できる限り遺産総額を少なくしておけば、基礎控除後の金額も少なくなり、相続税の課税対象額も少なくなります。
生前に家族等に財産を分け与える生前贈与は、遺産総額を少なくすることができますので、相続税を軽減するための対策となります。
ただし、国も相続税が減ってしまうのは困りますので、贈与税という別の税金で課税してきます。
贈与税に関しては下記のような様々な特例がありますので、自分にはどの特例が合うのかを考えて相続税対策をしてみてください。

①毎年110万円以下の暦年贈与による生前贈与


暦年贈与は、「れきねんぞうよ」と読みます。1月~12月までの1年間(暦年)で受けた贈与に対して課税する制度です。
暦年贈与は、贈与者(贈与をする人)についても、受贈者(贈与を受ける人)についても制限はなく、贈与財産の種類にも制限はありません。
暦年課税には年間110万円の基礎控除があり、複数の人から贈与を受けた場合でも総額が110万円を超えなければ贈与税は課税されません。課税されませんから、申告の必要もありません。
しかし、暦年贈与を利用するには注意が必要です。
毎年110万円ずつ、親が子に対して10年間にわたって贈与を行えば、110万円×10年 合計1100万円もの額を非課税で贈与できそうに思えますが、これは1100万円のまとまった贈与を10回に分割して渡しただけと税務署から指摘 され、贈与税が課税される可能性があります。
贈与が成立するには、贈与者の「あげる」意思と、受贈者の「もらう」意思がないといけません。明確にするには、贈与契約書を作成したり、現金であれば手渡しではなく、銀行振込にするなどの1年ごとに違う贈与だと認められる様々な対策が必要です。
贈与契約書もなく、親が勝手に開設した子名義の銀行口座に毎年110万円を振込んでも、「もらう」意思がないので、贈与は成立していないことになります。これを毎年繰り返していれば、いずれ贈与税を課税されることもあり得ます。

②相続時精算課税


相続時精算課税制度とは、親や祖父母から贈与された財産の価額が、2500万円まで贈与税が非課税になる制度です。お得な制度に思えますが、誰に対してもお得な制度ではないことに注意が必要です 。
例えば、贈与額が2000万円とした場合に、贈与税は非課税枠内のため非課税となりますが、その2000万円が、相続時には遺産に含まれるものとして計算されます。基礎控除額を超えた場合は、贈与者の死亡時に相続財産として相続税 が課税されることになります。贈与して終わりではないのです。
お得にみえる相続時精算課税の注意点としては、
• 相続時精算課税制度を適用してしまうと、適用した贈与者に対する暦年贈与の非課税枠(毎年110万円)がその年以降一切使えなくなる
• 贈与税は非課税になっても、贈与した財産を含めた遺産総額が相続税の基礎控除額を上回る場合は、結局相続税という高い税金を払う事になる
などが考えられます。相続時精算課税適用のためには確定申告が必要です。一度適用すると変更できない制度になっていますので、よく検討して使う事が必要です。

相続時精算課税制度(一般型)の条件
  •贈与者(贈与をする人)が贈与をした年の1月1日時点で60歳以上
  •受贈者(贈与を受ける人)が贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上
  •贈与者と受贈者の関係が親子か祖父母と孫
一般型は、財産の種類や資金使途を問わない贈与です。また、相続時精算課税制度(住宅型)もあり、こちらは親または祖父母の年齢制限がありません。資金使途を住宅の取得や増改築に限定した贈与になります。

③住宅取得等資金の特例


父母・祖父母などから、住宅取得等のための金銭の贈与を受けた場合、特例を受けることができます。非課税限度額は、家屋の種類や、契約締結日等によって異なります。
登記面積が50㎡以下の住宅には適用されませんので注意が必要です。
  住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合
住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成31年4月1日~令和2年3月31日 3,000万円 2,500万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,500万円 1,000万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日 1,200万円 700万円
 国税庁 「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より

 受贈者(贈与を受ける人)の条件
• 贈与者(贈与をする人)の直系卑属(子・孫など)であること
• 20歳以上であること
• 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること
• 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、この資金をもとに新築・購入した物件
で居住を開始すること
• 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること

贈与税の特例を使う以外にも様々な相続税対策があります。自分に合う方法をみつけて将来に備えてください。

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