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家族信託v.s.後見制度?


1.家族信託とは?

 最近テレビ等で「家族信託」という言葉を耳にされる機会が増えてきており、ご存知の方も多いかと思います。「家族信託」とは、法律等で規定されている言葉ではなく、一般社団法人家族信託普及協会が商標登録している呼称になります。家族信託とは、『“信頼できる家族”に財産の管理処分を任せる信託』を意味し、分かりやすく、親しみやすい呼称であることから広く使われている言葉となっています。
 その言葉通り、託す対象は「財産の管理処分」になります。ご本人が作り上げたもしくは先祖から受け継いだ財産について、ご本人が元気なうちにご本人の家族に対して管理処分を託しておくことで、ご本人に何かがあった場合にも財産管理に支障をきたすことがないようにするために家族信託は活用されています。ご本人が元気なうちに、ご本人の明確な意思に基づいて財産をどのように管理処分するかを自由に決定することができるため、事業承継、不動産管理処分型、福祉型等々様々な形で活用されています。
 このようにとても自由度が高い家族信託ですが、対象はあくまで財産の管理処分に限られるという点は注意が必要になります。

2.成年後見制度とは?

 「認知症などによって物事を判断する能力が十分ではない方(ご本人)について、ご本人の権利を守る援助者(「成年後見人」等)を選ぶことで、ご本人を法律的に支援する制度」
引用:家庭裁判所 成年後見制度パンフレット  文章からも分かる通り、後見制度は「ご本人及びその権利を守るために法律的に支援する」制度です。守る対象はあくまで「ご本人」であり、ご家族は対象とはなりません。また、判断能力が不十分な状態になってしまったご本人を守ることが目的となっている以上、ご本人の財産が減少する、居住環境が変わるといったリスクとなり得る法律行為を行うことは認められにくい傾向があります。
 そのため、後見制度を利用されたご家族からによる「使い勝手が悪い」という印象や、また後見人に選任された専門家がご本人の財産を着服するという残念なニュースもあり、後見制度に対する世間一般の評判は良いとは言えない状況です。

3.家族信託v.s.後見制度?

 前述の通り、ご本人に何かがあった時に財産管理を行う際、ご本人の意向(信託の目的)の範囲内で自由に管理処分できる家族信託とご本人及びその権利を守るために管理処分する後見制度は一見対局にあり、家族信託の便利さを強調するための対比として後見制度の不便さを強調して語られることは多いです。また、より強調する手段として家族信託が善で後見制度が悪とも受け取られかねないような表現で家族信託をご紹介されている専門家の方がいらっしゃるのも事実です。
 ですが、家族信託の対象はあくまで「財産の管理処分」に限られます。例えばご本人が認知症になってしまった際に、誤って非常に高額な商品を買ってしまったとします。残念ながら、その法律行為に対して家族信託で対抗することはできません。ご本人の財産を全て家族信託することで、ご本人が自由に処分することができないようにするといった予防的な対処が考えられますが、ご本人が行ってしまった法律行為自体を家族信託によって事後的に対処することはできません。 民法の改正により、意思能力を有しない者による法律行為は無効とすると明文化されましたので、訴訟等で法律行為当時の意思無能力を立証することで無効を争うこともできますが、時間や費用など少なくない負担がかかってしまいます。
 対して、後見制度を利用した後見人には取消権が認められており、認知症となったご本人が行なった法律行為を取り消すことが可能です。
 このように家族信託も後見制度もその他の制度全てに一長一短があり、これが善、これが悪といった単純な話とはいきません。全か無かではなく、各制度の長所、短所を理解したうえで、ご自身にあった制度を取捨選択し、最適な組み合わせを選択することで万が一に備えるということが重要になります。
 ピークスではお客様の状況に応じて、ご希望に沿った選択肢をご提案させていただきます。認知症対策をご検討の際にはお気軽にご相談ください。

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